ストーマ周囲の皮膚の問題に関する 5 つの驚くべき事実
実はストーマ周囲の皮膚の合併症 (PSC) は、医療機関に報告されないケースが多いと言われています。それにも驚かされますが、ここではさらにPSC にまつわる驚くべき事実をご紹介します。
ストーマ周囲の皮膚の合併症。
ストーマ保有者は、ストーマ周囲の皮膚の健康を最優先しなければなりません。ですが、ストーマ周囲の皮膚の合併症 (PSC) はよく見られるケースです。ここに、PSC がいかに広く発症しているか、その影響、およびその報告がどれほど少ないかに関する5つの事実を示します。
事実 1: ストーマ保有者の約 75% が、時期は違えどストーマ周囲の皮膚の合併症を経験しています。1
- 調査対象のストーマ保有者の 37% が術後 90 日以内に PSC を発症している2
- PSC を発症した 37% のうち、55% は最初の入院中に発症している2
- ストーマ周囲のかゆみは、ストーマ保有者の 87 % から報告されている3
事実 2: ストーマ周囲の皮膚の合併症を発症した患者の多くが、そのことを知らせていません。
患者の 87% はストーマ周囲のかゆみを経験したと報告していますが、その 3 分の 2 は、そのことについて医療機関に相談していません。
4 これは、ほとんどの患者が、皮膚の問題はストーマ造設後の生活につきものであると思い込んでいることを意味します。中には問題を認識していない患者もいるものの、多くは認識していても支援を求めないことを選択しています。
事実 3: 医療経済学者の研究によると、ストーマ周囲の皮膚の合併症は健康に関連する生活の質にマイナスの影響を及ぼします。
皮膚の合併症のないストーマ保有者は、自分の幸せの度合を周りの平均的な人と同程度としてランク付けています。しかし、たとえ軽度のPSC であっても、ストーマ保有者自身が報告する生活の質は低下し始めます。5
事実 4: ストーマ周囲の皮膚の合併症が重度になると、自分の生活の質を心不全や癌などの深刻な健康上の問題を抱えた患者と同程度にランク付けるようになります。
これは、重度の PSC 患者の生活の質に対するマイナスの影響が大きいことを示しています。5
事実 5: ストーマ周囲の皮膚の合併症は、ストーマ保有者と医療制度の両方にとって、医療費の増大につながります。
PSC 患者の場合、治療費および入院費が高くなるだけでなく、入院期間も長くなります。
学べるポイント
こういった事実には驚かされますが、重要なのはそこから何を学ぶかということです。重要なポイントは次のとおりです。
- PSC は非常によく発症する
- PSC は、生活の質の低下や医療費の増大などの影響をもたらす
- 効果的な日々のスキンケア方法を行う。 その際、セラミド配合のストーマ製品を使用することでPSC を防止することができる
- PSC の可能性があると思われる場合、問題 (そう痒) があるかどうか確信できない場合でも、担当医または皮膚・排泄ケア認定看護師に必ず報告する
1. Richbourgh L, Thorpe JM, Rapp CG.Difficulties experienced by the ostomate after hospital discharge.J Wound Ostomy Continence Nurs.2007; 34(1):70-79
2. Taneja, C., Netsch, D., Rolstad, BZ., Inglese, G., Lamerato, L., Oster, G., Clinicial and Economic Burden of Peristomal Skin Complications in Patients with Recent Ostomies JWOCN 2017 COL. 44, No. 4 Page 350-357.
3. Consumer Survey of Pruritus, 2016. Hollister Data on file.(n=164)
4. Consumer Survey of Pruiritus, 2016. Hollister data on file (n=140)
5. Nichols TR, Pouching System Impact Assessment, 2013. Hollister data on file